シナリオ セブンズゲート~後編~

 
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チャプター 1


ウッシー「やぁ、僕ウッシー。未来の世界からやってきた、勇者の相棒ウッシー。
     みんな、ウッシーのアバターは手に入れたウッシーか?
     ウッシーのアバターはチェインもついてイベントに有利ウッシー。」

ハムト「おい、ウッシー。今、それどころじゃニャいニャ!!」

ウッシー「あ、アバター化された事ないハムト先輩ウッシー。」

ハムト「うるさいニャ!!ハムトのアバターが実装されたらURなのニャ!!」

ヴェルヌ「ベガとアルテアの生体反応を確認しました。」

シグニ「みんなで止めに行きましょう。」

アリデッド「そうだな。」

ヴェルヌ「待ってください。2人は別々な位置へ移動したようです。
     アルテアは界蝕へ。ベガは少し遅れているようです。」

ハムト「二手に分れて止めたほうがいいニャ。」

アリデッド「あたしとシグニが母さんを止める。」

シグニ「俺達は母さんから戦い方を学んだので、弱点もわかるのです。」

アリデッド「勇者は父さんを止めて欲しい。」

シグニ「父さんは、変わった符術を使うので気をつけてください。」

ウッシー「良し、勇者様いくウッシー!!」

ハムト「お前、シグニとアリデッドのガイドニャロ。2人についていくニャ。」

ウッシー「……。いやウッシー。勇者様といたいウッシー。」

シグニ「相変わらずだな。こいつは。」

アリデッド「あたし達は、ウッシーがいなくても大丈夫さ。」

ハムト「でも、お前ら、この世界ははじめてニャ。ガイドが必要ニャ。」

ウッシー「ウッシーもはじめてウッシー。」

ハムト「つ、つかえん奴ニャ。しかも猛烈にウザイニャ。」

ハムト「わかったニャ。2人には、このハムトさんがついていくニャ。
    勇者。ハムトが居なくても心配する必要はないニャ。少しの辛抱ニャ。」

ヴェルヌ「通信が必要だと思うので、私も勇者様について行きます。」

ハムト「頼んだニャ!!ヴェルヌだけが頼りニャ!!」

ウッシー「みんな、いくウッシー!!」

シグニ「うざい……。」

アリデッド「うざい……。」

ヴェルヌ「うざい……。」

ハムト「ニャ……。」


チャプター 2


2人の間に、遮る者はなく。殺気だけが大気を歪めていた。
氷上を滑る様に間合いを詰める折姫ベガ。
アルテアの腕に触れるや否や、破砕音と衝撃が辺りに響く。
折姫流奥義・七夕祀。
一瞬で相手の関節を無条件で破壊する絶技である。
この技を受け、立っている者はいない。
否、アルテアは立っている。
技が極まる直前に自らに短冊符を使い起爆。
後方に吹き飛ぶ事で威力を減殺したのだ。
爆発に巻き込まれたベガは無事では済まないはずだ。

アルテア「破壊された関節は三箇所で済んだか。これぐらいかすり傷よ。」

ベガ「自爆して技を回避するとはね。」

アルテア「下品な技を喰らうくらいならば、自爆したほうがましだ。
     それより、爆発でお前の腕にもダメージがあるはずだ。」

ベガは爆発で血の滲んだ指先を見つめると、その血を舐めた。

ベガ「こんなのかすり傷よ。きっちり再起不能にしてあげるわ。」

アルテア「これぐらいでは、倒れんか。
     決着をつけたい所だが、目的はあくまで七夕。
     先に行かせてもらうぞ。」

ベガ「あたしから逃げられると思っているの?」

アルテア「ああ、簡単にね。ドナッシー。」

ウッシー「ドナドナ……。」

アルテアの周囲に牛型の人形が大量に具現化し始めた。

アルテア「ドナッシーは自律型人造生命体だ。」

ベガ「こんな雑魚で私を止められると思っているの?」

アルテア「時間稼ぎで充分だ。
     お前がドナッシーと遊んでいる間に俺は先にいくぞ。
     ハッハッハッハッハ!!」

ベガ「タイマンで勝負しろー!!」

アルテアは風の様に、その場から消えた。

ウッシー「ドナドナ……。」

ベガ「かかってらっしゃい。雑魚共。」


チャプター 3


ハムト「こっちニャ。ああ、ニャんか。普通に仕事してるニャ。」

シグニ「母さんに伝えなければ……。」

アリデッド「そうだな。母さんが間違わなければ……。」

ハムト「ニャあ?ベガって何を間違ったのニャ?」

アリデッド「勘違いしてるんだよ。」

シグニ「真ギルガメッシュが七本腕だと思ってるんだ。」

アリデッド「真ギルガメッシュは八本腕なのに……。」

ハムト「は?ニャ?そんだけニャ?」

アリデッド「折姫流奥義・七夕祀は全身の関節を七箇所破壊する技。」

シグニ「母さんはギルガメッシュの腕を七本までは破壊したのですが……。」

アリデッド「八本目にやられてしまったんだ……。」

ハムト「そ、そんなくだらない理由で世界は滅んだのニャ!!
    お前らの伝えたい言葉って、それなのニャ……。」

アリデッド「うむ。」

シグニ「はい。」

ハムト「ち、力抜けるニャ……。でも、教えるだけなら簡単ニャ。」

アリデッド「そうでもないね。
      あたしらの知っている母さんは、人の話を聞かない人だった。」

シグニ「なんでも力で解決する人だったね。」

アリデッド「ギルガメッシュに敗れて、少し性格は柔らかくなったと聞いたが。」

シグニ「それでも相当好戦的だったね……。」

ハムト「た、七夕のイメージが……崩れていくニャ。
    織姫って機織りとかする静かなイメージニャ。」

アリデッド「刃手折りならするね。」

シグニ「あ、ハムのヒト。折姫の「おり」は何かを折るほうだからね。」

ハムト「ニャニャ!!今まで誤字だと思ってたニャ。」

アリデッド「関節を折るから折姫だよ。気付いてるかと思った。」

ハムト「お、恐ろしいニャ……。」


チャプター 4


ヴェルヌ「勇者様。こっちです。
     彦星流のアルテアは、符術を使った魔法が得意です。
     彦星流は過去に使われた短冊の負の感情部分を浄化するために作られた流派です。」

ウッシー「そうウッシーなー。
     ウッシーはアルテアに会った事ないウッシー。」

ヴェルヌ「アルテアはベガより前に戦死しました。
     世界が機界に変わった後、主力はベガとアルテアでした。
     世界滅亡に関わった故に力を持ってしまったのです。
     皮肉な事です……。
     その後、2人は愛し合う様になります。
     やがて、アリデッドとシグニが生まれます。
     いがみ合っていた2人を結びつけたのもギルガメッシュなのです。運命の悪戯ですね。
     2人は勇者になる様に育てられました。
     しかし、勇者様。あなたの様な力を発揮する事は出来ませんでした。
     オーブの力を自在に組み換え、あらゆる自体に対処する。
     それは勇者様だけの力なのです。」

ウッシー「ヴェルヌ。完璧なガイドウッシー……。
     ウッシーの立場が危うくなってきた予感ウッシー。」


チャプター 5


ハムト「あそこで戦っているのはベガじゃニャい?」

ウッシー「ドナドナ、ドナドナ。」

ベガ「こいつで最後ね。」

ウッシー「ドナドナ……。」

ハムト「ウッシーニャ。ウッシーがいっぱい倒れているニャ。」

シグニ「これは一体……。」

アリデッド「あ、あれが若い頃の母さん。
      あたしらが知っている頃より強い気を感じる。」

ベガ「あなた達誰?」

シグニ「さ、殺気が半端ないな。」

アリデッド「なあに、あたしらは母さんの戦い方を知ってる。」

ハムト「ちょ、ちょっと待つニャ。ハムトが説明するニャ。」

ベガ「何か様?あたし忙しいんだけど。」

アリデッド「ハムのヒト。多分言っても無駄だよ。」

シグニ「俺も、そう思う。」


チャプター 6


ヴェルヌ「あれがアルテアです。」

アルテアは回復の秘水を飲んで治療していた。

アルテア「ん?あなたは誰ですか?」

ウッシー「僕はウッシー。こっちは勇者様ウッシー。」

アルテア「ほう。あなたが伝説の勇者様ですか。」

ヴェルヌ「私はヴェルヌ。過去の過ちを正しに来ました。」

アルテア「過ち?この俺が過ち等犯すはずもない。
     なるほど。勇者様御一行という所か。」

ヴェルヌ「勇者様に協力し、真ギルガメッシュを倒して欲しいのです。」

アルテア「界蝕で増えた真ギルガメッシュは本物の力に及ぶべくもない。
     各々が勝手に討伐すればよかろう。」

ヴェルヌ「協力したほうが、効率が良いはずです。」

アルテア「勇者に協力するのは構わない。
     しかし、折姫流と組むのはごめんだ。
     本当の七夕祭りを出来るのは彦星流だけだ。」

ウッシー「どっちでも良いウッシー。
     平和な世の中になって自堕落に生活したいウッシー。」

アルテア「お前。ドナッシーの癖に個性が強いな?」

ウッシー「ドナッシー?僕はウッシーよ。」

ヴェルヌ「あなた達が協力しないとどうなるか私が説明しましょう。」


チャプター 7


ハムトは説明した。
己の表現力をフル動員し、プレゼン資料も作った。
夢ノ国の事、神官の事、2人の子供の事。
そして、スクエニゲームが無い世界の悲劇を雄弁に語った。

ハムト「そんな世の中でいいのかニャ!!」

ベガ「ZZZZZZZ。ふあ、終わった?」

ハムト「寝てたんかニャ!!こんな一生懸命説明したのにニャ!!」

シグニ「ハムのヒト。母さんは人の話を聞かないんだよ。」

アリデッド「母さんは拳と拳で語り合うしかないんだ。」

ベガ「大体、あんたらが、あたしの子供ってのが信じられないのよね。同い年くらいに見えるし。
   それに、あのアルテアと結婚するなんて有り得ないわ。」

シグニ「まぁ、それは確かに。(予想以上に凶暴だし)」

アリデッド「ここまでガサツな人間だとは思ってなかったしね。」

ベガ「ふん、随分言ってくれるじゃない。
   でも、初めから戦おうって根性は嫌いじゃないわ。」

ハムト「アワワワ。もう、なんで戦うのニャ!!」

アリデッド「手負いだからって容赦しないよ。」

ベガ「お気遣いありがとう。でも、さっき寝て回復したわ。」

シグニ「強がりを。」

ベガ「本当よ。あたしは寝る事で新陳代謝を上げる事が出来るの。
   あれぐらいの傷ならば、すぐ回復するわ。」

アリデッド「我が母親ながら恐ろしい女ね。」

ベガ「二度と母親って言わせないからね。」


チャプター 8


アルテア「ふむ。大体の事情はわかった。
     にわかに信じられん。
     しかし、おそらく本当なのだろう。」

ヴェルヌ「ご理解いただけましたか。」

アルテア「そこにいるウッシーは、未来の俺が造ったのだと思う。」

ウッシー「マジウッシー?」

アルテア「ほれ、ドナッシー。」

ウッシー「ドナドナ……。」

ウッシー「ウッシーが二人いるウッシー!!
     どっちが本物かわからないウッシー。」

アルテア「俺はドナッシーに、より複雑な命令を遂行できる研究をしている。」

ウッシー「ドナッシーの完成形がウッシーって事ウッシーな。」

アルテア「いや、お前を見ていると失敗したようだ。」

ウッシー「ウッシー!!」

アルテア「もっと勤勉で知的な奴にする予定だった。
     未来の俺は志半ばで倒れてしまったのか。」

ウッシー「失礼な奴ウッシーな。お前なんか創造主じゃないウッシー。」

アルテア「うむ。やはり間違った未来は正さねば。」

ヴェルヌ「それでは協力してくれますね?」

アルテア「一つ条件がある。勇者よ。俺と勝負して欲しい。」

ヴェルヌ「何故?」

アルテア「1度、勇者と戦ってみたい。それだけだ。」

ウッシー「勇者様。あいつボコボコにして欲しいウッシー。」

アルテア「こ、こいつ……。
     勇者よ。手間を取らせて悪いな。いくぞ。」


チャプター 9


ベガ「どうしたの?それで終わり。」

アリデッド「星拳突き!!」

シグニ「天河両断!!」

ベガ「甘い。刃手折り!!」

ベガはシグニの剣を素手で受け止め捻った。
その刹那、アリデッドのコスモギアが光を放つ。星拳付きがベガの顔面を正確に打ち抜く――――
かに見えた。
ベガは態勢を崩したシグニの身体を盾にしたのだ。
無防備なシグニを星拳突きが、捉えた。
アリデッドが一瞬早く、力を抜くのが遅ければ致命傷になっていただろう。

シグニ「ぐはっ!?姉さん……。」

アリデッド「しまった!!」

ベガ「アリデッドとか言ったわね。
   あんた確かに折姫流を知っているのは確かね。
   でも。あんたが習った人は、あたしより弱い。」

アリデッド「あたしは、あんた。いや母さんに習ったんだ。」

ベガ「まだ言うの。それも終わり。七夕祀。」

折姫流の奥義がアリデッドに直撃。
アリデッドの全身は嫌な音を立てながら吹き飛んだ。

ハムト「アリデッドーーーー!!」

シグニ「姉さん!?ねえさぁーーん。」

ベガ「命を取ろうとは思わないわ。急所は外してある。」

シグニ「どうしてわかってくれないんだ……。」

ハムト「シリアスすぎて、ついていけないニャ……。」


チャプター 10


アルテア「つ、強い。流石勇者だ。
     まぁ、俺の使命は七夕で起こる界蝕を防ぐ事。
     無理に勇者と対立する必要はない。」

ヴェルヌ「ありがとうございます。」

アルテア「いや、こちらこそよろしく頼む。
     一つ気がかりなのは……。
     ベガは言う事を聞くかわからんという事だ。
     正直、実力は俺より上だろう。
     しかも戦闘が大好きときている。」

ヴェルヌ「ベガには、アリデッドとシグニが説得にいっています。」

アルテア「危険だな。」

ヴェルヌ「2人共、相当な手練ですよ。」

ウッシー「アルテアみたいに負けてるかもしれないウッシーな。」

アルテア「……。おいウッシー。」

ウッシー「ウッシー?」

アルテア「お前が俺に作られたか証明出来る方法を思いついたぞ。
     ドナってウッシー。」

ウッシーの身体は眩い光を放つと爆発した。

ウッシー「モギャーーーーーーー!!」

アルテア「うむ。やはり俺の好きなタイミングで起爆出来る様にしてあるか。」

ウッシー「なんて事するウッシー!!死にかけたウッシー。」

アルテア「ちょっと熱いだけだ。気にするな。それに自分の技だろう。」

ウッシー「自分で使うのと、他人にやられるのでは違うウッシー。」

ヴェルヌ「ドナってウッシー。」

ウッシーの身体は眩い光を放つと爆発した。

ウッシー「モギャーーーーーーー!!」

ヴェルヌ「なるほど誰でも出来るんですね。」

ウッシー「……。」

ヴェルヌ「ウッシーが大人しくなった事ですし。アリデッド達と合流しましょう。」


チャプター 11


ベガ「はぁはぁ、あんたらしぶといわね。
   これ以上戦うとギルガメッシュと戦う体力がなくなるわ。」

アリデッド「あたし達は負ける訳にはいかない。
      もう帰る場所もないんだから……。」

シグニ「俺は、この世界へ来れて良かったと思う。
    夢と希望に溢れて、色々な人が訪れる。
    こんな素敵な場所を失くしてはいけないんだ。」

ベガ「……。
   あんた達の拳は嘘を言っていない。
   本当にあたしの子供なの?」

アリデッド「未来は変わる。だから、本当の意味では違うかもしれない。」

シグニ「でも俺達には真実なんだよ……。あの世界が現実だった。」

ハムト「ベガ、ちょっとは話聞くニャ。」

シグニ「母さんは、真ギルガメッシュに負ける。」

ベガ「七夕祀の敵じゃないわ。」

アリデッド「真ギルガメッシュは八つの腕だ。」

ベガ「嘘。七つの腕よ。そのほうが語呂がいいし。」

ハムト「そういう問題なのかニャ。」

シグニ「真ギルガメッシュには七夕祀は破られる。」

アリデッド「勇者と協力しない限り母さんは負けるんだ。」

ベガ「あたしが負けるとは思わない。
   でも、勇者に会ってみたくはなったわ。」

アリデッド「ありがとう……。」

ベガ「そんなに強いなら戦ってみたくなったのよ。」

ハムト「え?ニャ?」


チャプター 12


シェルティー「黒キ王。何処へ行ってらしたのですか?」

黒キ者「どうやら間に合ったようだな。」

シェルティー「完全に気配が消えてしまったので心配しました。」

黒キ者「他の世界の者を引き込みすぎるのも考え物だな。」

シェルティー「真ギルガメッシュですか?」

黒キ者「バランスが必要と言う事だ。
    あちらの世界と近付きすぎたようだ。
    真ギルガメッシュの世界を見てくるか……。」

シェルティー「私はどうすれば?」

黒キ者「好きにしろ。真ギルガメッシュ退治は勇者にやらせておけ。」

黒キ者は、黒い光となって、夢ノ国から消えた。

シェルティー「黒キ王よ。シ凶より勇者に頼るのですか……。」


チャプター 13


ハムト「おーい。勇者ー。ベガを連れてきたニャー。」

ヴェルヌ「勇者様。彼女が折姫流のベガです。」

ベガは殺気を纏わせながら滑る様に近付いてきた。

ウッシー「ウッシー?」

ベガ「七夕祀……。」

ウッシー「モギャーーーーーー!!」

ウッシーは折姫流奥義・七夕祀を極められ吹き飛んだ。

シグニ「え?」

アリデッド「なんで?」

アルテア「おい。そいつはドナッシーじゃないぞ。」

ベガ「あんたが作ったんじゃないの?」

アルテア「作ったのは俺だ。正確に言うと未来の俺だ。」

ウッシー「荷馬車に揺られている幻影をみたウッシー。死にかけたウッシー。」

アリデッド「ウッシーは父さんが作ったのか……。」

アルテア「ん?君らが俺達の子供なのか?」

ベガ「まじでやめて欲しいんですけど。こんな自信過剰男と結婚とかないわ。
   婚儀の女神ユーノに誓ってありえないわね!!」

シグニ「まぁまぁ、落ち着いて。」

ハムト「子供に言われて恥ずかしくないのかニャ。」

ヴェルヌ「ベガ。協力してくれるのですか?」

ベガ「いいわよ。条件があるけどね。勇者と勝負させて。」

ウッシー「アルテアと同じ事言ってるウッシー。似た者夫婦ウッシー。」

アルテア「起爆、ドナドナ。」

ベガ「七夕祀。」

ウッシーは天の河の星となった。

アリデッド「勇者、この人はこういう人なんだ。」

シグニ「申しわけないけど戦ってもらえますか?」

ベガ「あたしは、アルテアほど甘くないわよ。」


チャプター 14


ベガ「敗けた……。このあたしが……。
   真ギルガメッシュは本当に八つの腕だって言うの……。」

ハムト「まだ疑ってたのニャ。」

ヴェルヌ「もう、あまり時間はありません。
     真ギルガメッシュには核の様な個体がいるようです。」

アリデッド「核?そいつが元凶って所か?」

ヴェルヌ「そうですね。それを倒さない限り、この現象は続きます。」

アルテア「いつもの七夕と違うな。ここまで酷い事はなかった。」

シグニ「理由はともかく、そいつを倒せばいいんだね。」

ヴェルヌ「そうですね。倒しきれないと危険です。」

アリデッド「機界になる可能性がある訳か。」

ヴェルヌ「そうです。この世界には、私達と違い多くの英雄がいます。
     彼等も力を貸してくれるはずです。
     もちろん神官も……。」

シグニ「アレウス師匠……。」

アリデッド「博士……。」

その時、あなたの前に刻ノ扉が現れた。

ヴェルヌ「おそらく次元の狭間に生まれた機界でしょう。」

アリデッド「今の内に叩いたほうが良さそうだな。」

ハムト「いっくニャー!!」

あなた達は光となって次元を越えた。

ウッシー「戻ってきたウッシー!!
     あれ?誰もいないウッシー……。
     扉が消えるウッシー。 入るウッシー。」

ウッシーも光となって飛んだ。


チャプター 15


アリデッド「あたし達の世界に似てるな。」

シグニ「そうだね。こうなってはいけないんだ。」

ヴェルヌ「人数が多いので分かれて討伐したほうがいいですね。」

アルテア「そうだな。数も多いし。」

ベガ「あたしは師匠と行きます。」

ハムト「は?ニャ?」

ベガ「勇者様。あなたを師匠と呼ばせてください!!」

アリデッド「勇者。すまないけど母さんをよろしく。」

ハムト「ベガを押し付けられた感あるニャ。ハムトも勇者と一緒ニャ。」

ヴェルヌ「私も一緒に行きます。」

アルテア「では、俺とアリデッド?シグニ?で行くか。」

シグニ「わかりました。」

アルテア「足りない戦力は量産型ドナッシーで補う。」

ハムト「何か忘れてるような気がするニャ。」

ヴェルヌ「気のせいでしょう。」

シグニ「気のせいだと思う。」

アリデッド「気のせいだと思う。」


チャプター 16


ウッシー「此処は何処ウッシー。未来へ戻ってきたウッシー!?
     勇者様は何処ウッシー。ガイドが必要ウッシー。
     あ、僕がガイドだったウッシーな。こんな事なら来なければ良かったウッシー。ガイドって面倒ウッシー。
     まぁ、適当にうろついていれば何とかなりそうウッシー。」


チャプター 17


ハムト「何処かあてがあるのかニャ。」

ヴェルヌ「王都を探しましょう。」

ハムト「王都ニャ?」

ヴェルヌ「崩壊した未来を象徴する偶像。
     それが、機界の王都です。」

ハムト「ニャるほどなぁ。負の感情が王都の形に具現化してるのニャ。」

ベガ「これが未来の世界……。酷い場所だわ……。」

ヴェルヌ「これは幻影の様なものです。」

ベガ「あたしが七つの腕にこだわったばかりに……。」

ハムト「そんな事で未来が崩壊すると思わなかったのニャ。」


チャプター 18


アルテア「我々は、ここに現れる魔獣を倒し続ければ良さそうだな。」

シグニ「そうですね。囮って所ですか。」

アリデッド「あたし達にはお似合いの仕事だ。」

アルテア「お前ら未来の勇者なんだろ。」

アリデッド「結局、勇者という役割にはなれなかったよ。」

シグニ「そうだね。あくまで代理。」

アルテア「そんなに卑屈になる事もないと思うがな。
     お前らが居なかったら勇者は此処に来れなかったしな。
     何も勇者が一番偉いって訳じゃあないと思うね。
     勇者は勇者で大変だと思うね。毎回世界の危機に立ち向かわされるしな。
     俺は1年に1回で充分さ。」

アリデッド「……。」

アルテア「なんだい?」

シグニ「いや、母さんと違って比較的まともなんだなと思って。」

アルテア「酷い言われ様だな。
     まぁ、こんな世界にならない限り、あいつと結婚はないだろうな。」

シグニ「……。」

アルテア「ああ、悪気はなかったんだ。
     お前らの存在を否定したかった訳じゃない。」

アリデッド「わかっているよ。あたしは、あたしだからね。
      ほら、シグニ。すぐ深刻になるのはウォリアー・アレウスに似たね。」

シグニ「そうだね。あと少しで未来が変わるんだ。頑張ろう。」

アルテア「俺はドナッシーを大量生産する。時間稼ぎになるからな。」

アリデッド「あ、ウッシー。」

シグニ「ウッシー、忘れてた。」

アルテア「ま、まぁ大丈夫なんじゃないかな。」


チャプター 19


あなたは地に落ちた王都の前に立っていた。
未来の世界より原型を留め、歪な形状の王都。
まさしく、この荒廃した世界の象徴であった。

ヴェルヌ「ここが、機界の王都です。」

ハムト「ニャんか。錆てるし、機械油で汚れているニャ。」

ベガ「ここに八つの腕の男がいるのね。」

ヴェルヌ「そうです。対抗出来るのは勇者様だけだと思います。」

ベガ「何故、あたし達では勝てないのかしら?」

ヴェルヌ「ここにいる真ギルガメッシュは本物ではありません。
     界蝕で造り上げられた、影の様な存在です。
     しかし、本物と同じ様な強さを持っています。
     確かな存在として強固な形を持つ、ギルガメッシュに勝つのは困難です。
     その存在に対して一番強い力を発揮するのは勇者様なのです。」

ベガ「とにかく師匠に任せておけば大丈夫なのね。」

ヴェルヌ「そういう事です。」

ウッシー「ウッシー。ウッシー。追いついたウッシー。」

ハムト「あ、ウッシーニャ。マジで忘れてたニャ。」

ウッシー「勇者様。僕がいなくて大変だったと思うウッシー。」

ヴェルヌ「全然困ってないです。勇者様急ぎましょう。」

ベガ「あたしも援護します。師匠。」


チャプター 20


アルテア「敵が増えてきたな。」

シグニ「そうですね。」

アリデッド「でも、未来よりはましだね。」

アルテア「これより厳しい戦いだったのか?」

アリデッド「厳しい戦いであるかよりも、味方がいないほうが辛かった。」

シグニ「勝利の先の未来が想像出来なかったんだ。」

アルテア「勝利の先か……。お前達、この戦いが終わったらどうするんだ?」

アリデッド「あまり考えてなかったな。」

シグニ「俺達のいた未来は、無くなっていると思うんです。」

アルテア「帰る先もないって事か。」

アリデッド「それでも1度帰ってみるか。博士は此処を故郷と思えと言ってたけど。」

シグニ「そうだね。」

アリデッド「変わった未来を確かめよう。」

シグニ「博士にも会いたいしね。」

アルテア「前向きなんだな。若さの特権だな。」

シグニ「父さんも若いだろ。」

アルテア「まいったな。まだ結婚もしてないんだぜ?」

アリデッド「アッハッハッハ。こんなに愉快な気分も久しぶりだね。」

シグニ「みんなも笑えるように頑張ろう。」

アリデッド「そうだな!!」

アルテア「あ、あれは真ギルガメッシュだ。」

アリデッド「他の奴と気配が違うわね。」

シグニ「敵の力が増しているって訳か。」

アリデッド「勇者達も危ないかもしれないわね。」


チャプター 21


ウッシー「この戦いが終わったら僕の役目も終わりウッシー。」

ハムト「ニャにを突然に。ガイドはいいのかニャ。」

ウッシー「僕は本来存在しなかった者ウッシー。」

ハムト「ま、まさか消えちゃうのニャ?
    ニャにか良い手はニャいのかニャ?」

ウッシー「残された人生。いや牛生を有意義に生きるウッシー。」

ハムト「ウッシー……。」


チャプター 22


シグニ「やはり強い。」

ギルガメッシュの力は想像以上であった。
アリデッドとシグニの連携攻撃を八つの腕で捌く技量。
強力な武器から繰り出される痛撃は2人を追い詰めていった。

シグニ「ここまでか……。俺達が負けても勇者が残っている。」

アリデッド「弱音を吐くんじゃない!!」

アルテア「そうだ。勇者としての誇りはどうしたんだ。」

シグニ「俺達は、偽物だよ。」

アリデッド「偽物だって。いいじゃないか……。」

その時、アルテアの周囲に轟音が響き渡った。

アルテア「ドナッシーを全て起爆した。これで一瞬だけ手が空いた。
     1年に1度。星に願いをかける余裕もないそんな窮屈な世界はごめんだ。
     短冊符・風刃の式。」

アルテアの符術が真ギルガメッシュを捉える。

アルテア「おい、2人共。未来の勇者なんだろうが!!根性みせろ。」

アリデッド「あなたが父さんである事を誇りに思う。あたしの願いは勇者になる事。その願いを拳に込める。」

アリデッドのコスモギアの輝きは頂点に達していた。

シグニ「そうだね。夢は自分で掴むものだもんね。俺は勇者になる。」

シグニのコスモギアも虹色の光を放った。

アリデッド「星拳突き!!」

シグニ「天河両断!!」

ギルガメッシュは光の粒となって消滅した。

シグニ「やった。遂に勝った。」

アリデッド「少しだけ勇者に近づけたのかな……。」

アルテア「ドナッシーは全部起爆してしまった。この後は相当きつい戦いになるぞ。」

シグニ「大丈夫です。」

アリデッド「勇者を信じて戦うよ。」

アルテア「(あれ?ウッシーも起爆するかな)」


チャプター 23


ヴェルヌ「真ギルガメッシュの反応が強いです。」

ハムト「に、2体もいるニャ。」

ウッシー「勇者様でも同時に2体はきついウッシー。」

ベガ「大丈夫よ。あたしがいる。」

ハムト「でも、七夕祀は破られるニャ。」

ベガ「わかっていれば対策も立てられるわ。」

ヴェルヌ「私も援護します。」

ハムト「決戦ニャ!!」

ウッシー「僕は応援するウッシーよ!!」


チャプター 24


あなた真ギルガメッシュを倒した。
ギルガメッシュは咆哮を上げながら光となった。
しかし、もう一体との決着はついていない。

ベガ「何度仕掛けても極めきれない。やはり、勝てないのか。」

その時、ウッシーの身体が光始め、真ギルガメッシュへ飛んだ。

ハムト「ウッシー!?」

ウッシー「勝手にドナってウッシー!?モギャーーーー!!」

ウッシーは八本目の腕に当たり、閃光となって爆発した。

ベガ「今なら極められる。」

ベガは滑る様に懐に入ると、真ギルガメッシュの腕を掴んだ。

ベガ「七夕祀ッッッッッ!!」

ギルガメッシュの腕は全てへし折れた。

ベガ「七夕祀ッッッッッ!!」

追い打ちの七夕祀は真ギルガメッシュの関節を14箇所砕いた。
ギルガメッシュは二度と立ち上がる事はなかった。

ハムト「やったニャ。」

ベガ「ウッシーがぶつかってくれたおかげで助かったわ。」

ヴェルヌ「雑魚は片付けました。あまり、お役に立てなくてすみません。」

ハムト「充分ニャ。他の敵がなだれ込んできたら危なかったニャ。」

廃墟だった王都が再生を始めていた。
機界の王都と夢ノ国の王都が重なりあっているのだ。
それは破滅の未来が消え去った事を象徴していた。

ハムト「勇者。 お疲れ様ニャ。 戻るのニャ。」


チャプター 25


あなたが真ギルガメッシュを倒して数日が経った。

ヴェルヌ「トランスフォーム。」

ハムト「本当にいくのニャ?ここに居てもいいのニャ。」

シグニ「はい。一応、確認しておきたいので。」

アリデッド「未来が平和で、居心地悪かったら戻ってくるよ。」

ルー「今回の事件では大変お世話になりました。旅のご無事を祈っています。」

アリデッド「やっぱり教皇って感じじゃないな。」

ルー「未来の私はどんな人だったか気になります……。」

テラス「テラスも気になるよー。」

シグニ「導師テラスは、もうちょっと落ち着いた感じでした。」

シグニ「師匠は、そのまんまですね。」

アレウス「そ、そうなのか。」

ハムト「未来でも堅物なのニャ。」

トト「ヴェルヌさんって本当にボクが作ったのかな?」

ヴェルヌ「本当ですよ。博士。」

トト「博士ねぇ。」

シグニ「博士のおかげですよ。ボクらが来れたのは。」

アリデッド「そうだよ。ありがとう。」

トト「未来のボクって博士じゃないかもしれないんだろう?」

アリデッド「そうだね。でも、あたし達には博士なんだよ。」

トト「帰ってきなよ。博士も此処に居ろっていったんだろ。」

シグニ「夢ノ国は第二の故郷だと思っています。」

アリデッド「いつか必ず戻ってくるよ。」

ハムト「それにしても、あの2人はまだ喧嘩してるのニャ。」

ベガ「ごめーん。遅れちゃったー。」

アルテア「顔を見た瞬間に攻撃してくるのやめてくれないか。」

ベガ「あんた達。絶対帰って来なさいね。
   帰ってきたら折姫流をちゃんと教えてあげるわ。」

アルテア「何を言っている。アリデッド、シグニ。彦星流にしなさい。」

ベガ「どっちが2人に相応しいか勝負よ。」

アルテア「いいだろう。次の七夕で決着をつけよう。」

シグニ「フフフ……。」

アリデッド「どっちにするかは考えておくよ。」

ヴェルヌ「そろそろ。旅立ちます。勇者様ありがとうございます。
     みなさん、さようなら。良い未来を……。」

ヴェルヌはあっけない程簡単に消えた。
天の河の星が一際大きく輝いた。
彼等の未来は明るい。そう確信させる輝きだった。
いつの日か、また戻ってくる。その日を信じて……。
セブンズゲート 完


チャプター 26


ウッシーは夢ノ国に残っていた。

ウッシー「役目が終わったウッシー……。」

ハムト「ウッシー。此処にいたのニャ……。」

ウッシー「ハムト先輩……。」

ハムト「ニャにか欲しい物とかニャい?
    消えてしまうんニャろ……。」

ウッシー「うーん、今はカツ丼の気分ウッシー。」

ハムト「は?ニャ?」

ウッシー「欲しい物はモバコインが欲しいウッシー。」

ハムト「ちょ、ちょっと待つニャ。消えたりするんじゃニャいの?」

ウッシー「消える?
     ああ、時間旅行物でよくあるパターンをやってみたかったウッシー。
     やっぱ夢ノ国はいい所ウッシーな。博士がオススメするだけあるウッシー。
     これからは、ここでノンビリ暮らすウッシーな。自由万歳ウッシー。」

ハムト「こいつ……。ガイドの風上にもおけんニャ。
    そうニャ。ドナってウッシー……ニャ。」

ウッシー「モ?モギャーーーーー!!」

ウッシーは天の河の星となった。
いつか、きっとまた会える……かもしれない。ウッシー 完

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